「介護保険証、受け取りました?」実施報告

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    そう思う人はYuiに集まろうではありませんか!

10月28日(月)、松が丘Yuiの一緒に考える会
「介護保険証、受け取りました?を開催しました

日時:2019年10月28日14:00~15:30

テーマ:介護保険の介護サービスの手続きから利用まで

場所:松が丘中央会館

報告者:小林義一

質問への対応:吾妻地域包括支援センター 大倉みゆき 様
参加者からの質問に対し、具体例を交えて説明し、会場全体の「勉強をしようとする気持ち」を盛り上げていただきました。

参加者:松が丘住民26(計27名)

今回の報告は、所沢市発行の冊子「介護保険―介護サービスの手続きから利用まで」を教科書として、参加の方々に配布させていただきました。この冊子は、所沢市役所の介護保健課に行けばもらえますので、みなさんに是非一読されることをお勧めします。

所沢市役所のホームページでも見ることができます。(下記リンクで繋がります)
所沢市発行の冊子「介護保険―介護サービスの手続きから利用まで」

1.報告内容の骨子


<介護保険の勉強会 27名が参加>

1.65歳になると送付されてくる「介護保険被保険者証」は、そのままでは使えません。

  • まずは、要介護認定を受ける必要があります。(吾妻地域包括支援センターか所沢市介護保険課)
    その結果、「要支援1〜2」「要介護1〜5」の判定を受けます。

2.介護保険で受けられるサービスには、次のようなものがあります。

  • 在宅サービス:訪問系サービス(訪問介護、訪問看護など)、通所系サービス(デイサービス、デイケアなど)、短期入所サービス(ショートステイ)
  • 施設入所:特別養護老人ホーム、老人ホーム、ケアハウス、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(療養病床)、介護医療院
  • その他、聴き慣れないサービスである、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能居宅介護、夜間対応型訪問看護、グループホームなど
  • 訪問看護については、介護保険と医療保険と両方の保険が関与するので、注意する必要があります。

3.介護保険サービスの利用には、自己負担があります。

  • 年金などの収入額に対応して、1割〜3割の自己負担金を支払わねばなりません。(高額自己負担を救済する仕組みがあります)
  • 在宅サービスについては介護状態の状態に応じて、月次上限額(支給限度額)があります。この限度を超えると、超えた分は全額自己負担となります。
  • 施設に通ったり、ショートステイ、施設入所の場合は、介護サービスの自己負担に加え食費、居住費がかかります。

4.介護認定の後、介護保険サービスを受けるには、まずケアプランを作成する必要があります。

  • 「要支援1〜2」の人は、吾妻地域包括支援センターが、みなさんと相談しながらケアプランを作成してくれます。
  • 「要介護1〜5」の人は、吾妻地域包括支援センターが、ケアマネージャー(居宅介護支援事業所に所属している)を紹介してくれます。このケアマネージャー(介護支援専門員)が、みなさんと相談しながらケアプランを作成してくれます。

5.みなさんの介護保険は所沢市が保険者で、現在その予算は半分が保険金、半分が税金(国25%、県12.5%、市12.5%)です。
しかし急速な高齢化、少子化に対応するため常に予算は火の車です。したがって、介護保険(そして医療保険)の仕組みも今後私たちの負担が増える方向で変わっていくことが予想されます。

  • 現に、介護度の軽い「要支援1〜2」の人に対する訪問介護とデイケアは、介護保険ではなく、所沢市の「地域支援事業」に変更になりました。
  • 「地域支援事業」は、既存の介護事業者による訪問介護・通所介護に加え、NPO、民間事業者、住民ボランティアによる生活支援や、住民によるコミュニティーサロン、多様な交流の場での介護予防活動に期待を寄せています。要するに「介護予防や要支援者への支援は地域で担ってね」ということであり、地域包括支援センターにはそうした地域づくりを支援する役割が課せられています。
  • 「地域支援事業」は介護保険財源で市が実施する事業であり、全国一律の基準で行うものではありません。市町村の主体性、独自性が発揮でき、多様化が進む反面、市町村格差が大きくなることも予想されるのです。

2.質疑・意見交換

●要介護認定を受けるには「主治医の意見書」が必要とあるが、主治医とは?

⇒ いわゆる「かかりつけの先生」です。いなければ、傷病、心身状態、生活機能を判定できる医師に診察をお願いします。

●要介護認定更新の申請が必要になったら、市から本人に通知が出されるのか?

⇒ 出されます。ただし、長期間サービスを受けていない場合には、出されないこともある様です。

● ケアプランはどのようにして変更されるのか?

⇒ ケアマネジャーが毎月要介護者宅に訪問し、状況を把握して、必要に応じ変更します。

●利用するサービスや事業所を変更して欲しい時はどうすればいいのか?

⇒ ケアマネジャーに申し出ます。そもそもケアプランや事業所選択は、ケアマネジャーが一方的に決めるものではなく、本人・家族の希望を聞き、両者で話し合って決めるものです。

●ケアマネジャーを変えてほしいと思ったら(能力、相性等々)、どうすればいいのか?

⇒ 担当しているケアマネジャーが所属している居宅介護支援事業所に直接交渉するのがはばかられるなら、地域包括支援センターに相談をしてください。

●ケアマネジャーにはどんな人がなるのか?

⇒ 基礎資格(保健、医療、福祉関連の資格)+実務経験+試験

●要支援者のケアプランは、利用者が居住する地域を担当する地域包括支援センターの相談員が作成することになっている。ということは、利用者が選んだケアマネジャーにケアプランの作成を依頼することは出来ないということか?

⇒ そのとおりです。ただし、地域包括支援センターが居宅介護支援事業者にケアプラン作成を委託することは出来ます。たとえば、同じ世帯に要介護と要支援の人がいて、2人とも同じケアマネジャーに担当してもらいたいという希望があり委託した例があります。

「なんでも困ったら地域包括支援センターに」ということは分かったが、吾妻地域包括支援センターの担当領域に、高齢者はどのくらいいるのか?

⇒ 65歳以上人口は約9,000人です。

● 癌末期に在宅で暮らす場合、医療保険、介護保険のどちらを使うのか?

⇒ 介護も医療も必要となるので、両方使うことが多いです。要介護認定を受けて介護サービスを利用しつつ、訪問看護については医療保険が適用されるので、在宅サービスの支給限度額を気にすることなくサービスを利用することができます。癌末期以外でも特定の疾患や病状悪化時などには、訪問看護については医療保険が適用されます。

●所沢市には、在宅サービスを提供している事業者は少ないように思うが、市外の事業所を利用することも出来るのか?

⇒ 利用できます。清瀬市や東村山市など、近隣の市町村にある事業所を利用している人は多いです。ただし、要支援者が利用できる訪問介護、通所介護(デイサービス)、および地域密着型サービスは、所沢市が指定する事業者が提供するものに限られます。

●東京のある事業者から、要支援者の訪問介護、通所介護は市の事業として実施されるようになってから採算に合わなくなり、撤退したという話をきいた。要介護者の訪問介護も、「身体介護」はともかく「生活支援」は単価が安く、採算が合わないという。所沢でもそういうことはあるか?

⇒ 所沢でも、単価の安い要支援者の訪問介護については、引き受けてくれる事業者を探すのは大変です。

松が丘Yui    共同代表 小林義一・岩本哲夫